体重、食事、歩数、特茶を飲んだ日の記録管理ができる、利用者の健康促進、意識向上を手助けする「特茶健康チャンスNAVI」
サントリー食品インターナショナルが2019年4月にローンチした「特茶 スマートアプリ」の活動量計測機能を、より精緻に判定して利用者の健康意識の向上につなげるため、ユーザー負担なく取得できるデータとして、位置情報取得機能をアプリに追加することになりました。
PROJECTプロジェクト内容
活動量を精緻に判定するため、移動情報の自動判定機能を
「SilentLog SDK」を通じて提供
弊社SDKの導入により、利用者は正確な記録が計測できるようになりました。 またSDK経由で取得した利用者の行動を 分析推定することで、利用者の実態から 打ち手を考えることが可能になり、 利用者の継続性向上の一策となりました。
■App Store(iPhone)
https://apps.apple.com/jp/app/id1439890115?l=ja&ls=1■Google Play(Android)
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.suntory.tokuchapc主な機能
トップ画面
健康のために生活習慣・行動を変える「きっかけ」を、移動情報や歩数に応じて、ユーザーの「健康チャンス」として自動で表示されます。健康チャンスを達成するとポイントがたまり、ポイントを使ってお得な体験が得られます。
特茶の飲用記録
特茶を飲んだ⽇付がカレンダーでわかり、習慣にできているか確認することができます。
歩数記録
ユーザーの移動情報をもとに、歩数が自動的に記録されます。アクティビティは18種類の中から選択して運動時間を入力できます。
体重の記録
体重・体脂肪率・筋⾁量の⼊⼒が可能です。
食事の記録
1週間前まで記録が可能、食事に対するアドバイスが届きます。つくばヘルスフロンティア監修、スマートダイエット法による食事入力です。
SilentLog Analyticsを提供
自社アプリ「SilentLog(サイレントログ)」から蓄積した、1日2000万件の膨大な緯度経度データを活用して行動予測モデルを構築し、その技術をBtoB向けの位置情報分析プラットフォーム「SilentLog Analytics」として、日本国内にとどまらず、欧州や東南アジアなど国内外の企業に対してサービスを展開しています。
サービスは、自動車や鉄道などの交通分野(商品ブランド:モビリティ・フロンティア)、人流データ等のマーケティング・リサーチ、人の動態分析を必要とするヘルスケアなど多様な分野に応用されています。
プロジェクト概要
プロジェクト名
特茶 健康チャンスNAVI
クライアント
サントリー食品インターナショナル株式会社様
公開時期
2021年4月
制作期間
ー
開発内容
SDK提供
INTERVIEWクライアントインタビュー
(サントリー食品インターナショナル株式会社・溝本氏)
健康を保てる理由は”機能”だけでなく
”意識付け”にあった
特茶は、2013年に体脂肪を減らすのを助ける食品として開発し認可を得て発売。その後、健康に着目したアプリ「特茶 健康チャンスNAVI」を開発した。レイ・フロンティアのSDKを使って移動情報を得て、ユーザーの行動に気づきを与えていくこのサービス。今回は「特茶 健康チャンスNAVI」の企画を手がけてきたサントリー食品インターナショナル株式会社ジャパン事業本部ブランド開発事業部 課長の溝本将洋氏にお話を伺った。
2013年の発売開始から、7年連続でトクホ茶市場No.1※の売上を誇る特茶。そんな特茶だが、溝本氏によれば、数年後にはプライベートブランド(PB)等を中心に、その他の特定保健用食品が安価で流通し始めたことや、異なるジャンルのトクホ商品の新発売、健康系サービスの乱立などもあり、特茶を取り巻く市場は常に変化をしてきているという。
※トクホ茶市場「伊右衛門 特茶」インテージSRI 14年1月~16年12月
インテージSRI+17年1月~20年12月各年累計販売金額
業態:スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストア計
そんな環境の中で、特にリピート率の高い方に対し”特茶を飲み続けている理由”のヒアリングを重ねる中で、”機能面のみに期待し、購入・愛飲されているのではなく、飲むこと自体が健康維持のきっかけになっている”という発見があったそうだ。
「健康食品は認可取得までに4年近くの実験を重ねて開発しています。身体的効果はもちろんあると思っていましたが、お客さまのインサイトを突き詰めた結果、特茶という毎日飲むお茶だからこそ出来るサービスを検討できないか?と考え、『意識を変える』ことにフォーカスしました」と溝本氏は語る。
特茶 健康チャンスNAVIの始まり
そこから、商品開発のみならず、体重、食事、歩数、特茶を飲んだ日の記録管理ができるアプリ「特茶
スマートアプリ」の開発を本格的に開始し、2019年4月にローンチ。一定期間後にアプリのデータを見返してみると、実際にアプリ利用を継続している人は、きちんと特茶の購買も続けていたそうだ。そこで、溝本氏は、このアプリを、人の生活に溶け込んで、より意識と行動を変えていくものにしたいと思ったという。ユーザーが頑張らなくとも自然と取得できるデータは何かを考え、位置情報取得機能をアプリに追加することにした。この時、連携システムとして挙がったのがレイ・フロンティアの位置情報分析プラットフォーム「SilentLog
Analytics」だ。
SilentLog Analyticsは以下3つの機能を持つ(現在、アプリに提供している機能は①と③)。
①移動、 および行動状態の種類を自動で判別する機能
②適切なタイミングでお知らせを配信する機能
③機能に必要な技術提供(機械学習、 ディープラーニングによる分類処理)
2021年4月には、位置情報を活用したリニューアルアプリとして「特茶 健康チャンスNAVI」がリリースされた。リリース後にデータを分析してみると、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う外出自粛があったものの、ウォーキング等を継続できていた人が一定数おり、このアプリを通して健康維持に向けたアクションを習慣化できている人たちがいることがわかった。
「このアプリのペルソナは、『やりたいけれど、できていない』が悩みの方々。どんな時にどういうことを言われると嫌な気持ちにならないか、やる気を喚起できるか、というユーザー視点のシミュレーションを何度も行いました」と溝本氏は言う。歩く距離、起床時間といった健康に良いアクションについて、1日単位だけでなく1週間単位で、ユーザーがアプリとともにどういう感情を抱くか、チームで議論を重ねた結果、誕生したアプリなのだそうだ。
自動的にログが貯まることが人の行動と意識を変える
「特茶
健康チャンスNAVI」は、2020年10月に開発に着手、同月下旬にはレイ・フロンティアと打合せ、2021年4月でリリースというスピード開発となった。ユーザーの感想を見てみると、「知らず知らずの間にログが貯まっていくことが嬉しいというコメントがありました。きちんと見てくれているとユーザーが感じられることが、アプリ利用を継続いただくにあたって、大切なのだと思います」と溝本氏は語る。
実は、レイ・フロンティアの田村代表も、記録をつけるのが元々好きだったそうで「私はログを残すことの価値を人にもわかってほしいと感じることが多かったのですが、どうしても面倒に感じる人が多いようだと思っていました。それであれば、自動でログが貯まるサービスがあればいいのでないかと考え、SDKを開発したという経緯があります」と語った。
レイ・フロンティアとの連携を一番推したのは実は溝本氏だそうだ。「結果としての健康はうれしいものであるが、提供できるのはプロセス。やっていることの楽しさ、達成感が肝であり、そこに負荷をかけないことが大事。アプリログ連携先はかなり調べたのですが、ユーザーにアクションを求めるものが多かったのです。でもSilentLogは、自分でもやってみたらとてもスムーズで、面白かった。田村さんとこうして、自分が大事に思っていた価値観が合致していたこともうれしく思います」と溝本氏は話した。
移動やログを価値にしてヘルスケアを推進する、という点で共感した二人。
今後、特茶 健康チャンスNAVIはどのように進化していくのか。「移動に合わせてポイントを付与し、そのポイントを還元して商品を購入してくれるような機能ができればと思っています」と溝本氏は言う。
日常の何気ない行動が価値に変わり、健康管理につながる時代がやってくるようだ。
SDKの導入事例はこちら
PHRで進化する健康管理
『うつのみや健康ポイントアプリ』
自転車などの活動でポイントを獲得し、暮らしをより楽しく。日々の記録をデジタル化し、新しい健康管理体験を実現。
利便性向上、観光利用促進を目的とした
『さんてつアプリ』
レイ・フロンティア株式会社は、三陸鉄道株式会社様へ「さんてつアプリ」の配信を開始しました。
ライフスタイルに寄り添う
持続可能なまちづくりをサポート
一般社団法人計量計画研究所(IBS)様にSilentLog Analyticsを提供いたしました。
「防災アシスト」アプリで災害情報をリアルタイムで受信。位置情報共有と安否確認でつながりを保つ。
誰でもダウンロードし、ご利用いただけます。
移動データから住民の移動需要および
傾向を分析『なみえ I・DO アプリ』
浪江町での実証実験にてアプリサービスを提供しました。
楽しみながら健康を促進するアプリ
『CO Record&Journal』
(β版開発中)
健康に対するハードルを下げつつ、楽しみながら日々の活動に取り入れていただける行動変容型ゲーミフィケーションアプリを開発しました。
サントリー「特茶 健康チャンスNAVI」への導入
サントリー食品インターナショナル株式会社「特茶 健康チャンスNAVI」へ位置情報分析プラットフォーム「SilentLog Analytics」を提供しました。
楽しく歩いて歩数を共有するアプリ
『ASTARI』
離れて暮らす大切な人と歩数を共有してギフトやポイントをGETできたり楽しみながら歩数を共有できるアプリへSDKを導入しました。
長崎市の観光をより楽しむアプリ
『STLOCAL』
長崎市を観光で訪れるお客様に向けたアプリサービスを提供しました。
応援したい企業を応援するアプリ
『Dprime』
「データを可能性に変えよう」というブランドコンセプトのもと、日々の生活の質が向上していく世界を目指したアプリを開発しました。
指定エリア内の人流データの
利用権のご提供
都市模型にソーシャルヒートマップ®などのデジタルコンテンツをプロジェクションマッピングで表示する「サイバー都市ビューワー」での投影用に、SilentLogの人流データを提供しました。
行動データの収集・分析を用いた
産学連携
精神疾患の鑑別診断
東京大学小池研究室 小池進介准教授にリアルタイム行動データを提供しました。